ANTONIO ADELIO
ポルトガルの南、アレンテージョ地方で古く作られ使われていたコルク樫のランチボックス。コルク樫の木肌を贅沢に使用します。ポルトガルは世界有数のコルクの生産地。耐水性と保湿性、保温性に優れる機能を活かし、暑いこの地域の農民たちは農作業の時などにランチや飲みもの入れて持ち運びました。スプーンは水場で水をくむために、ボウルはスープを飲む食べるために。ホーンの入れ物はオリーブの実を入れて運ぶもの。ユニークでプリミティブ、土地にあるものを材料に工夫して手を動かして来た人々の営み。アレンテージョの暑い、ただただ広く続く景色で働きソパを食べガブガブと赤ワインをのみ交わす人々を思います。
作家として30数年活動するAntonioは、今では生活の中になくなりつつあるこれらを誰に教わるでもなく昔のものをみながら新たに自分の創意も入れつつ制作しています。